[留学レポート]スタンフォード訪問研究 vol.1 – 篠原由美子

KYOTO Design Labは、国際的に知られる著名な大学や研究機関などとの合同プロジェクトやワークショップを実施する中で、いくつもの交換留学の提携を結んできました。

今回から始まる留学レポートシリーズでは、D-labのプロジェクトを通じて新たに提携を結んだ「イギリス・キングストン大学」と「スイス・ルツェルン応用科学芸術大学」と「イタリア・トリノ工科大学」に交換留学中の近藤弘規さんと小林柚子さんと荒木菜見子さんに加え、「アメリカ・スタンフォード大学」で滞在研究を行う篠原由美子さんに寄稿してもらう予定です。

留学を検討中の皆さんはぜひ購読し、参考にしてください。

篠原さんは以前実施した共同研究の発展研究のための滞在となるので、今回の第1回の留学レポート「スタンフォード訪問研究」では、滞在に必要なビザの取得に関する内容のほか、具体的な研究内容についてもレポートしていただきました。

それでは、暖かそうな西海岸より届いた、篠原さんのレポートをどうぞ!


こんにちは。

京都工芸繊維大学大学院情報工学専攻 修士1年生の篠原由美子(しのはらゆみこ)です。

私は昨年の夏(同大学情報工学課程4年次)よりスタンフォード大学と共同研究を行っており、現在はスタンフォード大学に訪問学生研究員として研究に従事しています。

全3回のレポートでは、すでに留学に興味を持っている方に向けて実用的な情報をご紹介するとともに、現在留学には興味はないという方に向けても、“海外での研究活動”という選択肢のメリットなどをご紹介できればと考えています。

まず今回のレポートでは、留学までの経緯・留学準備・研究内容の3点についてお話ししていきます。

昨年スタンフォード大学で実験を行った際の様子

留学までの経緯

そもそもなぜスタンフォード大学に滞在することができているのか、疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。

京都工芸繊維大学はKYOTO Design Lab (以下、D-lab)が主体となってME310/SUGARというスタンフォード大学発の国際的イノベーションプログラムに参画しており、私が研究活動を開始した学部4年次にはすでにD-labとスタンフォード大学にアカデミックユニットプログラム協定が締結していたため、共同研究のチャンスがありました。

もともと海外に強い興味があり、国際的な視点での研究がしたいと考えていた私は、認知行動科学研究室に配属後すぐに西崎友規子先生の指導のもと共同研究案をたて、学部4年の夏よりスタンフォード大学との共同研究を始めることができました。

実際の研究活動は、D-lab から援助していただき、昨年秋に約1カ月間、スタンフォードを訪れて運転中の視認行動に関する実験を行い、昨年度の研究をドイツの国際学会で発表する機会を得ることもできました。

篠原由美子さんがスタンフォード大学と共著で執筆した学術論文がドイツで開催される国際学会「AutomotiveUI 2017」に採択されました

その結果として、今年度はさらなる発展研究を行う目的でstudent researcherとしてのスタンフォード大学滞在が決定しました。今回の滞在も、D-labから多大な援助をいただいたおかげで実現することができました。

Center for Design Researchの作業スペース。毎日ここで様々な議論が繰り広げられています。

留学準備

他の方のレポートでも書かれていますが、アメリカの「J-1」交流訪問者ビザの取得についてご紹介します。

J-1ビザを発行してもらうためには、受け入れ先施設からDS-2019というビザ申請許可証を発行してもらわなければいけません。許可証を発行してもらうには、学部時代の成績と英語力を示すためのTOEFLまたはIELTSスコア、さらに銀行の残高証明書や奨学金証明書などの資金証明が必要です。

ただ、私は昨年すでにスタンフォード大学を訪れて研究活動を行っていたため、今回改めて英語力を示す必要はなく、TOEFLなどの受験はしていません。(ちなみに、英語は大学入学後、2カ月間の海外短期留学を通して習得しました。)

許可証を受け取ってからビザ申請の面接予約をするまでのプロセスも長く、面接料金の支払いや書類の記入、ビザ用写真の準備などが必要ですので、出国の1カ月前までには面接予約の手続きを開始することを強くお勧めします。

研究内容

スタンフォード大学では、Center for Design Researchという研究施設で、「運転時に注目しやすい物体の日米差」についての研究を行っています。

Volkswagen Automotive Innovation Lab (VAIL)の実験用自動車。自動車系の研究はVAILで行われています。

もともと認知科学系の分野では、「ものの見方には文化によって違いがある」と言われており、そのものの見方の違いが実際の運転時の目の動かし方にも影響しているかについて調べています。

この運転時の目の動かし方の違いを明確にすることで、文化に応じた危険感知システムや運転切替システム、車内インタフェースの開発につなげることを目指しています。研究にご興味がある方は、論文も是非読んでみてください。

Visual Attention During Simulated Autonomous Driving in the US and Japan

次回のレポートでは、実際の研究生活について詳しくご紹介していきます。


ライター紹介:篠原由美子
1993年生まれ。現在京都工芸繊維大学大学院にて情報工学を専攻。2016年からスタンフォード大学との共同研究を行っている。


今回のレポートまとめ

1. 留学にはアカデミックユニットプログラム協定も活用できる!
2. ビザの発行にはさまざまな証明や申請が必要!
3. 海外で国際的な視点から研究することの意味!

留学の相談は、京都工芸繊維大学の国際課へご連絡下さい。



隔週月曜日発行のメールマガジン、D-labの活動をまとめてお届けします。


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