KYOTO Design Labがシンガポール工科デザイン大学[SUTD]と2度実施した、ビッグデータのビジュアライゼーション・ワークショップ。「Data Landscape」と名付けられたこのワークショップは、SNSの投稿データと付帯するGPSデータを分析し、生活者と観光者が都市に向ける眼差しの違いを浮かび上がらせます。
3度目となるワークショップが2018年9月1日[土] – 9日[日]、シンガポール・京都に続き、建築ビエンナーレが実施中のヴェネチアでおこなわれました。
ワークショップに参加した学部4年生の工藤外四さんによるフォトレポートをお届けします。

venice

運河が流れるヴェネチアの街


2018年2月、6月に京都でおこなったワークショップでは、データとフィールドワークを統合するリサーチや、Pythonをつかったデータ分析とビジュアライゼーションの方法を学びました。今回のワークショップでは同様の方法でヴェネチアの分析に取り組み、シンガポール・京都を加えた3都市の比較をビジュアライゼーションし、ヴェネツィア・建築ビエンナーレ2018「FREE SPACE」のシンガポール館内で発表するというものでした。

workshop 1

左から3番目が筆者(工藤)、右端がサム先生


workshop 2

作業もシンガポール館の展示会場内でおこないました。


ワークショップリーダーはビッグデータや機械学習を用いた建築設計や都市計画を研究するサム・ジョイス教授です。建築を学ぶSUTDの学生は普段からコンピューテーショナルデザインに取り組んでいるため作業が早いのですが、僕たち京都工芸繊維大学の学生はデザイン専攻ばかりでプログラミングには馴染みがありません。前回のワークショップで初歩的なことを学ぶことができたのですが、今回はより技術的な指導をサム先生から直接に受けることができました。 

fieldwork

フィールドワークの様子


実際に分析に取り組む中で、“Venice”には”nice”という単語が含まれていることもあり、検索する単語を工夫しなければならないことがありました。また、ヴェネチアは他の2都市に比べると水上を移動する人が多いという明らかな違いもありました。私たちはシンガポールと京都から来ていることもあり、地形と分析結果の関係性を見いだすことが難しかったので、ワークショップのあとにフィールドワークへ出ることもありました。

panel 1

3都市を比較したパネル

panel 2

たくさんの切り口での発見があったが、期間中には4枚のパネルでの整理にとどめた


ワークショップを指導する岡田先生とサム先生によって、今回は「Time」「Locals and Tourists」「Positive or Negative」という3つのテーマによって、3都市を比較するビジュアライゼーションすることが決まりました。分析結果をもとにパネルを作成し、会場の床に並べて展示しました。
シンガポールは極めて高密度な地域であり、物理空間としての「フリースペース」がかなり少ないことをシンガポール館では展示をされていました。そのような状況の中で、建築家は市民の生活にどのような「フリースペース」をもたらすことができるだろうか、その問いに答える展示のひとつとして僕たちの作品も並べられたのだと思います。

visualization

ヴェネチアでのつぶやきから、ポジティブな絵文字(🎊😚💖など)がついたツイートをオレンジ、ネガティブな絵文字(😨😫😔など)がついたツイートをブルーで表示している

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[レポート]SNSから見る歴史都市の断面──Decoding data Landscapes
[募集]ヴェネチア・ビエンナーレ出展プロジェクトへの参加学生を募集します

ライター紹介:工藤外四
1996年生まれ。京都工芸繊維大学デザイン建築課程デザインコース。岡田栄造研究室。卒業研究では、コンピューターとヒトの特徴が顕著に現れるような新しいデザインの方法を探求している。

KYOTO Design Labがシンガポール工科デザイン大学[SUTD]と2度実施した、ビッグデータのビジュアライゼーション・ワークショップ。「Data Landscape」と名付けられたこのワークショップは、SNSの投稿データと付帯するGPSデータを分析し、生活者と観光者が都市に向ける眼差しの違いを浮かび上がらせます。
3度目となるワークショップが2018年9月1日[土] – 9日[日]、シンガポール・京都に続き、建築ビエンナーレが実施中のヴェネチアでおこなわれました。
ワークショップに参加した学部4年生の工藤外四さんによるフォトレポートをお届けします。

venice

運河が流れるヴェネチアの街


2018年2月、6月に京都でおこなったワークショップでは、データとフィールドワークを統合するリサーチや、Pythonをつかったデータ分析とビジュアライゼーションの方法を学びました。今回のワークショップでは同様の方法でヴェネチアの分析に取り組み、シンガポール・京都を加えた3都市の比較をビジュアライゼーションし、ヴェネツィア・建築ビエンナーレ2018「FREE SPACE」のシンガポール館内で発表するというものでした。

workshop 1

左から3番目が筆者(工藤)、右端がサム先生


workshop 2

作業もシンガポール館の展示会場内でおこないました。


ワークショップリーダーはビッグデータや機械学習を用いた建築設計や都市計画を研究するサム・ジョイス教授です。建築を学ぶSUTDの学生は普段からコンピューテーショナルデザインに取り組んでいるため作業が早いのですが、僕たち京都工芸繊維大学の学生はデザイン専攻ばかりでプログラミングには馴染みがありません。前回のワークショップで初歩的なことを学ぶことができたのですが、今回はより技術的な指導をサム先生から直接に受けることができました。 

fieldwork

フィールドワークの様子


実際に分析に取り組む中で、“Venice”には”nice”という単語が含まれていることもあり、検索する単語を工夫しなければならないことがありました。また、ヴェネチアは他の2都市に比べると水上を移動する人が多いという明らかな違いもありました。私たちはシンガポールと京都から来ていることもあり、地形と分析結果の関係性を見いだすことが難しかったので、ワークショップのあとにフィールドワークへ出ることもありました。

panel 1

3都市を比較したパネル

panel 2

たくさんの切り口での発見があったが、期間中には4枚のパネルでの整理にとどめた


ワークショップを指導する岡田先生とサム先生によって、今回は「Time」「Locals and Tourists」「Positive or Negative」という3つのテーマによって、3都市を比較するビジュアライゼーションすることが決まりました。分析結果をもとにパネルを作成し、会場の床に並べて展示しました。
シンガポールは極めて高密度な地域であり、物理空間としての「フリースペース」がかなり少ないことをシンガポール館では展示をされていました。そのような状況の中で、建築家は市民の生活にどのような「フリースペース」をもたらすことができるだろうか、その問いに答える展示のひとつとして僕たちの作品も並べられたのだと思います。

visualization

ヴェネチアでのつぶやきから、ポジティブな絵文字(🎊😚💖など)がついたツイートをオレンジ、ネガティブな絵文字(😨😫😔など)がついたツイートをブルーで表示している

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ライター紹介:工藤外四
1996年生まれ。京都工芸繊維大学デザイン建築課程デザインコース。岡田栄造研究室。卒業研究では、コンピューターとヒトの特徴が顕著に現れるような新しいデザインの方法を探求している。