京都工芸繊維大学大学院の特別教育コースである建築都市保存再生学コースは5年目に入った。今年度は、昨今の文化財保護法の大改正を踏まえ、歴史的建築物の保存活用を担う人材と組織について考えたい。

かつて歴史的建築物は、国や自治体が文化財指定をおこない「保存」することが最良の残し方であるかのように考えられてきた。しかし、2019年4月の改正文化財保護法の施行により、「活用」を前提とする制度に大きく変わった。それにともない、歴史的建築物の保存活用に際して専門家や専門組織が、所有者らに対して助言し、保存活用計画を立てることができるようになった。

そんな中で問題となるのが、歴史的建築物の保存活用を担う人材や組織のあり方であろう。従来の文化財の「保存」のように、行政と学識経験者らが建物の歴史的・文化的価値を位置づけるだけでは不十分で、さまざまな経験や知識を基に、所有者に対して有効な保存活用のあり方を提言し、実践的にリードできる人材や組織の役割が重要になる。

近年、ヘリテージマネージャーが全国規模で育成され、またさまざまな組織が設立され、歴史的建築物の保存活用に向けて重要な役割を担いつつあり、実績や成果も増えている。しかし長期的な視野に立ち、行政や民間組織、所有者、建築士らが連携しながら文化遺産を活用していくには、未知の部分や課題も多い。

今回のシンポジウムでは、8月に開催した今年度第1回のシンポジウムの続編として、京都に焦点を当てる。歴史的建築物の保存活用やマネージメントを担う京都の組織から講師をお招きし、これまでの成果を共有しながら、今後の人材育成や組織の連携のあり方を考えたい。歴史的建築物のよりよい保存活用に向けて、知見を共有したい。

茅葺屋根の葺き替え作業[提供|古材文化の会]

概要
日時|2019年12月22日[日]13時30分-
会場|京都工芸繊維大学 60周年記念館 1階 記念ホール
住所|京都市左京区松ヶ崎橋上町1(京都市営地下鉄松ヶ崎駅下車徒歩10分)
定員|170名
入場|無料(申込不要、当日先着順)

講師
石川祐一[京都市文化財保護課主任・文化財保護技師]
栗山裕子[建築家/認定NPO法人古材文化の会副会長/一般社団法人京都府建築士会監事]
西井明里[公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター事業第一課長]

司会・進行
田原幸夫[京都工芸繊維大学客員教授]
笠原一人[京都工芸繊維大学助教]

プログラム
13:30 趣旨説明  笠原一人
13:50 講演1 石川祐一|京都における歴史的建築物の保存活用─行政の立場から
14:35 講演2 栗山裕子|ヘリテージマネージャーの育成と役割─歴史的な建物を地域で生かしていくために
15:20 休憩
15:30 講演3 西井明里|所有者と民間と行政をつなぐ─京都市景観・まちづくりセンターの活動から
16:15 座談会 石川祐一+栗山裕子+田原幸夫+笠原一人
18:00 講師・参加者による懇親会 @プラザKIT(会費制)

主催|京都工芸繊維大学大学院建築学専攻、KYOTO Design Lab
後援|京都市、公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター、一般社団法人京都府建築士会、認定NPO法人古材文化の会、日本イコモス国内委員会、DOCOMOMO Japan

問い合わせ
国立大学法人 京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab 事務局
info@d-lab.kit.ac.jp|tel: 075-724-7283|www.d-lab.kit.ac.jp
Facebook: KYOTO Design Lab|Twitter: @kyotodesignlab

The first Symposium on Conservation and Revitalization will be held on 4 August 2019.
Graduate School, Kyoto Institute of Technology, 2019 Postgraduate Program on Conservation and Revitalization of Architectural and Urban Heritage.

茅葺屋根の葺き替え作業[提供|古材文化の会]

Date: Sunday, 22 December 13:30-
Venue: 60th Anniversary Hall, Kyoto Institute of Technology

Schedule
13:30-
Introduction: Kazuto (Assistant Professor, Kyoto Institute of Technology)
13:50 Lecture.1 Yuichi Ishikawa
14:35 Lecture.2 Yuko Kuriyama
15:20 an interval
15:30 Lecture.3 Akari Nishi
16:15 Discussion Yuichi Ishikawa, Yuko Kuriyama, Akari Nishi and Yukio Tahara [D-lab Project Professor] and Kazuto Kasahara
18:30 Post Symposium Party at Plaza KIT