(2020年3月9日 追記)
3月27日(金)から29日(日)に開催を予定しておりました京都ビエンナーレ国際都市デザイン展2020「KYOTO Shaping the Future – 食がつくる都市」について、今般の新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を鑑み、参加者および関係者の健康・安全面を第一に考慮した結果、開催を中止することにいたしました。
何卒ご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。

京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab[D-lab]は、2020年3月27日から29日の3日間にわたり、京都市勧業館みやこめっせにて、京都発の新たな都市デザインビエンナーレ『KYOTO Shaping the Future──食がつくる都市』を開催いたします。
都市の未来像を京都から発信する本展示では、食をめぐる循環構造のリサーチと最先端テクノロジーを掛け合わせ、直径15mの『都市模型プロジェクションマッピング』や、世界的なデザインミュージアムで展示された『京都を形づくる食』ほか、3つのプロジェクトが並びます。
一歩引いた視点から京都を俯瞰した社会のリデザインに興味のある方、ぜひご参加ください。

KYOTO Shaping the Future について

歴史都市としてのイメージの強い京都は、伝統を継承してきたと同時に、1200年を超える時代時代における「未来」を発信してきた都市でもありました。三方を山に囲われた京都ではたえず内と周縁をさまざまなレベルで区切り、それらの交流をイノベーションの源泉としてきたのです。やはり周縁の地にある京都工芸繊維大学KYOTO Design Labも、さまざまなコラボレーターとともに一歩引いた視点から京都を俯瞰し、社会のリデザインを提案しています。私たちは隔年開催の展示(ビエンナーレ)を中心とするプロジェクトKYOTO Shaping the Futureで新たな都市の未来像を提示し、その象徴として京都から周縁に延びる路を図案化したロゴデザインを提案します。

kstf-logo

第1回テーマ「食がつくる都市」について

第1回目となる展覧会のテーマは「食がつくる都市」としました。「食」は人間が生きていくうえの根源的な行為であり、そのありようそのものが人間を取り巻く都市や環境をかたちづくってきました。本展覧会ではまず京都の食をめぐる循環構造を歴史的な視点からリサーチし、これを最先端テクノロジーと掛け合わせることで、「食」から派生する新たな未来都市の可能性を描きたいと考えています。

※本事業は、「令和元年度日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業」であり、KYOTO STEAM-世界文化交流祭-2020の連携プログラムとして実施します。

イベント概要
日 時|2020年3月27日[金]― 29日[日]10:00-19:00(27日のみ13:00開場)
会 場|京都市勧業館みやこめっせ 第3展示場B
住 所|京都市左京区岡崎成勝寺町9-1
主 催|京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab
共 催|KYOTO STEAM-世界文化交流祭-実行委員会
後 援|在日スイス大使館
コラボレーター|シャディ・ラーバラン&マニュエル・ヘルツ、大阪ガス株式会社 エネルギー技術研究所、スイス連邦工科大学チューリッヒ校 クリストフ・ジロー研究室
コンテンツ制作|岡田栄造+岩本馨+水野大二郎+木下昌大+三宅拓也[京都工芸繊維大学]
会場構成|武井誠+満田衛資[京都工芸繊維大学]
アートディレクション|西村祐一+綱島卓也[Rimishuna]
ウェブ|https://www.k-s-t-f.com

関連イベント
Preview Exhibition: KYOTO Shaping the Future

日 時|2020年1月18日―2月9日 12:00―19:00
閉 廊|月・火・1月30日[木]
会 場|KYOTO Design Lab 東京ギャラリー
住 所|千代田区外神田6丁目11-14 アーツ千代田3331 203号室

展示コンテンツ
テーマ展示

●都市模型プロジェクションマッピング
模型(直径15mほど)を会場中心に配置し、そこに1000年以上にわたる都市空間の変化や食と都市の関係を表す映像を投影します。都市の変化や日々の動きを体感できるインスタレーションです。

Food Shaping Kyoto

Photo by Tomomi Takano

●京都を形づくる食
コラボレーター|シャディ・ラーバラン&マニュエル・ヘルツ
京都における「都市」と「食」のダイナミックな関係を、6つのキーワード〈生産、水、市場、流通、都市形態学、祇園祭〉で読み解き、建築や料理の模型、錦市場で使用されている道具、リサーチの成果をあらわした図・写真・映像などにより可視化する展示です。

プロジェクト展示

●Food Shaping the Future
コラボレーター|大阪ガス株式会社 エネルギー技術研究所
さまざまな環境の変化がもたらす新たな「食」のニーズを調査した上で、近未来の食文化を構想し、それを可能にする技術とサービスを開発。開発したシナリオやプロトタイプについて、映像や実物を展示します。

Photo by Juuke Schoorl

●絹の未来
京都の織物技術を支えてきた素材である絹をゲルやスポンジ状につくり替える先端技術と、デジタル工作機械を用いたデザイン手法を組み合わせることで、絹「だけ」で加工・製造された環境負荷が低く、かつ多様なニーズに応えることができる衣服のデザインプロセスを、素材実験の成果とともに展示します。

点群庭園

●点群庭園
コラボレーター|スイス連邦工科大学チューリッヒ校 クリストフ・ジロー研究室
山裾にひろがる詩仙堂の庭、現代建築の庭園(虎屋菓寮 京都一条店)、京町家の坪庭(一般民家)の大中小3つの庭を3Dスキャンして制作した映像を壁面プロジェクション展示します。仮想環境ながら、現実には不可能な庭園のダイナミック体験を可能にします。

コラボレーター
シャディ・ラーバラン&マニュエル・ヘルツ

●シャディ・ラーバラン(Shadi Rahbaran)
Rahbaran Hürzeler Architects、専門分野 建築・都市設計。スイスのバーゼルにあるRahbaran Hürzeler Architectsを共同創設した建築家であるとともに、北西スイス応用科学芸術大学(fhnw)建築研究所でデザインと建設の教授をつとめています。またETHスタジオバーゼル現代都市研究所で教鞭を執ったほか、コーネル大学の客員デザイン講師をつとめ、京都工芸繊維大学 KYOTO Design Labで都市研究プロジェクトに携わっています。主宰事務所の作品は、プロダクトデザインから、建築設計、都市計画まで、あらゆる規模とプログラムにおよび、スイス、フランス、ドイツで実現しています。近年の作品として、バーゼルにおける移動可能な低エネルギー住宅の実験的プロトタイプ、スイスアルプス地方のエンゲルベルグ小学校、フランスにおけるふたりの音楽家のための木造住宅と音楽堂、ライヒェンブルグの高齢者介護センターがあります。
https://www.rharchitekten.ch/


●マニュエル・ヘルツ(Manuel Herz)
バーゼル大学人文社会科学部教授、専門分野 建築・都市設計。バーゼルを拠点とする建築家であるとともに、スイスのバーゼル大学で建築・都市デザインを教えています。建築プロジェクトとしては、マインツのシナゴーグ(ドイツ)、ドイツ・フランス・スイスの住宅プロジェクト、セネガルのタンバクンダの病院などがあります。 また研究としては、現代における移動者の建築と都市の変容を中心テーマとしています。
http://www.manuelherz.com/projects

大阪ガス株式会社 エネルギー技術研究所
エネルギー技術研究所は、大阪ガス全社の研究所として革新的な研究開発に取り組んでいます。
燃料電池技術やガスセンサー技術、石炭ガス時代から培った触媒技術などを活用したエネルギー事業に貢献する研究開発を進めるとともに、フルオレンセルロースやグラフェンなどバイオマス系や炭素系のナノ材料技術、独自の発酵技術に基づくバイオ技術、シミュレーション技術などを活用したライフ&ビジネスソリューション事業(エネルギー事業で培った技術や事業ノウハウを生かして展開するエネルギー事業とは異なる事業)に貢献する研究開発も進めています。その中で、食品加工・調理でカギとなる食材の変化を、これまでの蓄積・保有技術であるガス機器評価技術や構造解析技術を駆使して解明するとともに、得られた知見から新たな食品分析技術の開発や食品加工・調理の制御に応用展開するフードサイエンス分野の研究開発にも積極的に取り組んでいます。
https://www.osakagas.co.jp/


スイス連邦工科大学チューリッヒ校 クリストフ・ジロー研究室
クリストフ・ジロー教授は、ランドスケープ・トポロジー(位相幾何学)をテーマに掲げ、ランドスケープをデジタル化し、分析・設計するプロジェクトに取り組んでいます。点群データと音響技術の教育と研究が補完し合い、ランドスケープのモデリングと再現の技術が飛躍的に進歩しました。
研究室メンバーは、視覚と聴覚におけるランドスケープ表現を教育・研究することで、ランドスケープのトポロジカルな定義を探求しています。ランドスケープを視聴覚的に評価することで、建築設計の可能性を新たに広げることを目指しています。
http://girot.arch.ethz.ch/

アクセス
最寄駅
京都市営地下鉄東西線 「東山駅」より徒歩約8分

京都駅から
・京都市営地下鉄
地下鉄烏丸線~「烏丸御池駅」乗換え~地下鉄東西線~「東山駅(みやこめっせ前)」下車(乗車約15分、徒歩約8分)
・市バス
A-1のりば 5系統 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車
D-1のりば 100,110系統 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車
D-2のりば 206系統 「東山二条・岡崎公園口」下車

四条河原町から
・市バス
Hのりば 5系統 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車
Hのりば 32系統 「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車
Eのりば 46系統 「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車
Eのりば 31,201,203系統 「東山二条・岡崎公園口」下車
・タクシー(約10分)

三条京阪から
・市バス
Dのりば 5系統 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車
Dのりば 岡崎ループ号 「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車
・タクシー(約5分)
・徒歩(約14分)

※京都市勧業館「みやこめっせ」京都最大級のイベント会場・展示場 アクセス
https://www.miyakomesse.jp/access/

参考情報
国立大学法人 京都工芸繊維大学
京都工芸繊維大学は、芸術・文化の源である国際学術都市・京都に位置する、工芸科学部一学部で構成される工科系大学です。科学と芸術の融合を目指す学風を時代の進展とともに百有余年にわたり発展させてきました。
「人間の感性を涵養し、精神的な潤いや自然との調和を強く意識した、普遍性のある科学技術分野の創生」を基軸とし、バイオ、材料、電子、情報、機械、環境などの先端科学技術分野から建築・デザインまでの幅広い分野において、ものづくりを基軸とした「実学」を目指した個性ある教育研究をおこなっています。
https://www.kit.ac.jp/

KYOTO Design Lab
KYOTO Design Lab[D-lab]は、京都工芸繊維大学が領域横断型の教育研究拠点として設立した、コラボレーションのためのプラットフォームです。2014年の発足以来、「Innovation by Design」をミッションに、さまざまな専門性が交差するインキュベーターとして活動しています。
D-labは、世界中の大学から招聘する研究ユニットや学内のさまざまな分野の研究者、国際的な企業や地域の組織とともに、ワークショップや都市リサーチなど各種の国際的プログラムの実践を通じたイノベーションの社会実装に取り組んでいます。
https://www.d-lab.kit.ac.jp

We have decided to cancel the Kyoto Biennale International Exhibition of City and Design 2020, which was scheduled to be held from Friday, March 27 to 29th “KYOTO Shaping the Future – Urban Dietary Landscape”. In view of the recent spread of new coronavirus infections, we have given top priority to the health and safety of the participants and related parties.
Thank you for your understanding and cooperation.

Kyoto Shaping the Future
While Kyoto is known as a historical city that inherits its rich tradition, it has also been providing visions of the future for each era throughout the 1,200 years of its history. Being surrounded by mountains on three sides, boundary of Kyoto has often been defined on various levels, and the interaction between the center and the periphery has been a fount of innovation.
KYOTO Design Lab (D-lab) of Kyoto Institute of Technology is one such platform that sits on the periphery of Kyoto, overlooks the whole of the city, and makes proposals for social redesign with various collaborators.
In KYOTO Shaping the Future, a project that centers around a biennale, D-lab presents a vision for a future city and proposes a logo design that symbolically shows streets extending from Kyoto to its periphery.

Theme: Urban Dietary Landscape
The theme of the very first exhibition is “Urban Dietary Landscape”. Eating is a fundamental human behavior that sustains life, and the circumstances surrounding food have played an integral role in shaping the city and environment that people live in. For this exhibition, the circulation structure surrounding Kyoto’s food has been researched from the historical point of view. Then, combining this research and cutting-edge technologies, a vision of a future city that stems from food is proposed.

Data and Time: 10:00 – 19:00, 27 – 29 March 2020 (Open at 13:00 on 27)
Venue: Miyako Messe 3rd Exhibition Hall B
Address: 9-1, Okazaki Seishojicho, Sakyo-ku Kyoto-shi, Kyoto
Organizer: KYOTO Design Lab, Kyoto Institute of Technology
Co-organizer: Executive Committee of KYOTO STEAM – International Arts × Science Festival –
Collaborators: Shadi Rahbaran & Manuel Herz, Chair Girot (D-ARCH) ETH Zürich
Energy Technology Laboratories, Osaka Gas Co., Ltd. 
Exhibition Content Design: OKADA Eizo, IWAMOTO Kaoru, MIZUNO Daijiro, KINOSHITA Masahiro and MIYAKE Takuya [Kyoto Institute of Technology]
Exhibition Architectual Design: TAKEI Makoto and MITSUDA Eisuke [Kyoto Institute of Technology]
Art Direction: NISHIMURA Yuichi + TSUNASHIMA Takuya [Rimishuna]
URL: https://www.k-s-t-f.com

KYOTO Shaping the Future is supported by the Agency for Cultural Affairs, Government of Japan, in the fiscal 2019 and co-hosted by KYOTO Design Lab and KYOTO STEAM 2020.