木内俊克特任准教授らが手掛ける「Adaptive Design & Assembly System Utilizing Reclaimed Timbers」プロジェクトが、若手建築家の登竜門として知られる「SDレビュー2024」に入選しました。入選作品の展覧会が東京（2024年9月13日〜9月22日）と京都（2024年10月3日〜10月26日）で開催されます。

今年で42回目を迎えるSDレビューは、鹿島出版会が主催する“実施を前提とした設計中ないしは施工中の建築、屋外空間、インテリア”を対象とした建築コンペティションです。

Adaptive Design & Assembly System Utilizing Reclaimed Timbersが提案したのは、解体木材や仮設資材などの別用途で使われていた木材や、販売経路にのらない間伐材など、非規格材のもつ個別でばらばらな材としての魅力を最大限引き出しながら、一般的な木造住宅や造作木工事の中で取り扱うことを可能にするデザイン／加工／組み立てシステムです。

３Dスキャニングにより取得した非規格材一本一本の３Dデータにより、100年近い材齢の古材から直近の規格材まで、寸法・ねじれ・形・特徴が異なる材同士の接合部加工を一つのプログラム上で処理することができ、加工はロボットアームによるデジタル・ファブリケーションの利用を主眼に置きつつも、接合部の加工形状は手刻みでも対応可能なものを採用するなど、在来木造工法への部分的な組み込みを前提にしています。

本システムによって実際に制作された藤棚は、2024年8月末に京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパスの中庭に設置されました。

京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパスの中庭に設置された藤棚（photo©Yosuke Ohtake）

東京と京都で開催されるSDレビュー2024では、本プロジェクトのドローイングや模型、映像が展示されます。ぜひ会場へ足をお運び下さい。