KYOTO Design Labは、国際的に知られる著名な大学や研究機関などとの合同プロジェクトやワークショップを実施する中で、いくつもの交換留学の提携を結んできました。

今回から始まる留学レポートシリーズでは、D-labのプロジェクトを通じて新たに提携を結んだ「イギリス・キングストン大学」と「スイス・ルツェルン応用科学芸術大学」と「イタリア・トリノ工科大学」に交換留学中の近藤弘規さんと小林柚子さんと荒木菜見子さんに加え、「アメリカ・スタンフォード大学」で滞在研究を行う篠原由美子さんに寄稿してもらう予定です。

留学を検討中の皆さんはぜひ購読し、参考にしてください。

小林さんからの第1回の留学レポート「これこれしかじかスイス建築留学物語」では、新たな交換留学先を選ぶ楽しさや申請に必要な英語学習について、さらにルツェルン応用科学芸術大学で学びたいことをレポート頂きます。

それでは、すてきな山並みが広がる小林さんのレポートをどうぞ!

スイス・ルツェルンとは

2017年9月から1年間、スイスのルツェルン応用化学芸術大学 Lucerne University of Applied Science and Architecture(以下、ルツェルン大学)に交換留学しています、小林柚子(こばやしゆずこ)です。

ルツェルンはスイスの中央部、チューリッヒから電車で約1時間の場所に位置するドイツ語圏の都市です。

瀕死のライオン像やヨーロッパ最古の屋根付き木橋などがある観光地で、明るく活気がありますが、それと同時に湖に面し、美しい景色の広がる街です。

私の所属する建築学部のキャンパスはルツェルン中央駅から電車で約5分のHorw(ホルブ)という町にあります。この町もまた湖に面するとともに、切り立った山々に囲まれたとても美しい場所です。

最寄り駅から校舎までの通学風景。日々の何気ない生活にも感動があります。

留学までの道のり

さっそくですが、留学先の決定に至るまでの過程をふまえて、留学準備について書かせて頂きます。

まず留学を思い立ってから最初に行ったこと、2016年7月に交換留学提携大学のコーディネーターとなる工繊の先生にコンタクトを取り、現地のことや手続き、選抜に選ばれるための必要条件などについて伺いました。

必要書類を作成し、国際企画課に提出した後、2017年2月に学内選抜に選ばれ、4月にアールト大学に交換留学の出願をしました。

が、届いたのは不合格の通知…。

一瞬落胆しましたが、諦めきれず交渉のメールを何度か送っている内に一転、なんと留学の許可が下りたのです。

しかし連絡をしている間、米田先生と小野先生(ラボラトリー長)に勧められルツェルン大学にも出願。悩ましいことに、両校から受け入れの許可が届いていたのです。

どちらを選択するのか迷った挙句、米田先生の「未開拓の地を開発する方が吸収できることがきっと多い」という言葉を信じて、ルツェルン大学を選択しました。 

交換留学が決定してから渡航直前までの3ヶ月間は、ほぼ毎週のように英会話教室に通いました。

大学院入試のために受けたTOEICスコアは680点、院試後も何度か受験して最終的には780点まで伸ばすことができましたが、英語でのコミュニケーションに対する不安は消えません。

プロジェクトの小旅行で訪れたヴァレリオ・オルジャティの作品。(Paspels School)日本の屏風を思い起こさせるような窓。教室には富嶽三十六景の絵が飾られていました。

留学中に学びたいこと

留学期間中に学びたい事・吸収したい事・向上したい事はたくさんあるのですが、次の3つをまずは挙げたいです。

1つ目はもちろん、英語でのコミュニケーション能力ですね。

Reading・ListeningはTOEICでも鍛えられたのですが、やはりSpeakingという能力はどうしても経験が必要です。

こちらでの授業が始まったからこそ、歯がゆいシチュエーションも多くあります。

日々鍛錬と思って頑張っています。

2つ目は、スイスのヴァナキュラー建築についてです。

スイスの建物は美しい風景に溶け込む意匠性と同時に厳しい冬の気候に耐えなければならない機能性が求められます。

地理的文脈を生かした建築はどのように実現しているのか、大学の授業や実際に体験することで理解したいと思います。

最後の3つ目は、ヨーロッパのリノベーション建築についてです。

歴史を重んじるヨーロッパでは、リノベーションやコンバージョン建築が主流で、多数の名建築が生まれています。

国内外にアクセスの良いチューリッヒから電車で4時間程度で、ミラノ、パリ、フランクフルトまで行くことができます。この立地の良さを活かして、多くのリノベーション建物を訪問したいと思っています。

同じく小旅行の道中。あまりにも綺麗だったので皆で車から降りて写真撮影をしました。本当に本当に美しい景色でした。

まとめ

スイスに到着してから1ヶ月ほどが経ちました。

留学前に思い描いていた理想像とは異なる事実に戸惑うことも多々ありますが、それ以上に新しい知識、価値観を吸収する機会が多くあります。

これからの1年間、きっとあっという間でしょうが、私の人生に大きな影響を与えるだろうと確信しています。

次回は課題内容や製図室の様子など、建築学生としての生活をお伝えしたいと思います。

製図室の様子


ライター紹介:小林柚子
1995年生まれ。京都工芸繊維大学大学院 建築学専攻 米田研究室所属 博士前期課程1年生。2017年9月よりスイス・ルツェルン応用科学芸術大学に交換留学中。


今回のレポートまとめ

1. 交換留学を思い立ったらすぐに担当の先生にコンタクト!
2. 交換留学の交渉は最後まで諦めずに!
3. スイスらしいヴァナキュラーな建築を現地で学べる魅力!

留学の相談は、京都工芸繊維大学の国際課へご連絡下さい。


次回のレポート「これこれしかじかスイス建築留学物語語 vol.2」の公開は、12月下旬を予定しています。こうご期待!


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KYOTO Design Labは、国際的に知られる著名な大学や研究機関などとの合同プロジェクトやワークショップを実施する中で、いくつもの交換留学の提携を結んできました。

今回から始まる留学レポートシリーズでは、D-labのプロジェクトを通じて新たに提携を結んだ「イギリス・キングストン大学」と「スイス・ルツェルン応用科学芸術大学」と「イタリア・トリノ工科大学」に交換留学中の近藤弘規さんと小林柚子さんと荒木菜見子さんに加え、「アメリカ・スタンフォード大学」で滞在研究を行う篠原由美子さんに寄稿してもらう予定です。

留学を検討中の皆さんはぜひ購読し、参考にしてください。

小林さんからの第1回の留学レポート「これこれしかじかスイス建築留学物語」では、新たな交換留学先を選ぶ楽しさや申請に必要な英語学習について、さらにルツェルン応用科学芸術大学で学びたいことをレポート頂きます。

それでは、すてきな山並みが広がる小林さんのレポートをどうぞ!

スイス・ルツェルンとは

2017年9月から1年間、スイスのルツェルン応用化学芸術大学 Lucerne University of Applied Science and Architecture(以下、ルツェルン大学)に交換留学しています、小林柚子(こばやしゆずこ)です。

ルツェルンはスイスの中央部、チューリッヒから電車で約1時間の場所に位置するドイツ語圏の都市です。

瀕死のライオン像やヨーロッパ最古の屋根付き木橋などがある観光地で、明るく活気がありますが、それと同時に湖に面し、美しい景色の広がる街です。

私の所属する建築学部のキャンパスはルツェルン中央駅から電車で約5分のHorw(ホルブ)という町にあります。この町もまた湖に面するとともに、切り立った山々に囲まれたとても美しい場所です。

最寄り駅から校舎までの通学風景。日々の何気ない生活にも感動があります。

留学までの道のり

さっそくですが、留学先の決定に至るまでの過程をふまえて、留学準備について書かせて頂きます。

まず留学を思い立ってから最初に行ったこと、2016年7月に交換留学提携大学のコーディネーターとなる工繊の先生にコンタクトを取り、現地のことや手続き、選抜に選ばれるための必要条件などについて伺いました。

必要書類を作成し、国際企画課に提出した後、2017年2月に学内選抜に選ばれ、4月にアールト大学に交換留学の出願をしました。

が、届いたのは不合格の通知…。

一瞬落胆しましたが、諦めきれず交渉のメールを何度か送っている内に一転、なんと留学の許可が下りたのです。

しかし連絡をしている間、米田先生と小野先生(ラボラトリー長)に勧められルツェルン大学にも出願。悩ましいことに、両校から受け入れの許可が届いていたのです。

どちらを選択するのか迷った挙句、米田先生の「未開拓の地を開発する方が吸収できることがきっと多い」という言葉を信じて、ルツェルン大学を選択しました。 

交換留学が決定してから渡航直前までの3ヶ月間は、ほぼ毎週のように英会話教室に通いました。

大学院入試のために受けたTOEICスコアは680点、院試後も何度か受験して最終的には780点まで伸ばすことができましたが、英語でのコミュニケーションに対する不安は消えません。

プロジェクトの小旅行で訪れたヴァレリオ・オルジャティの作品。(Paspels School)日本の屏風を思い起こさせるような窓。教室には富嶽三十六景の絵が飾られていました。

留学中に学びたいこと

留学期間中に学びたい事・吸収したい事・向上したい事はたくさんあるのですが、次の3つをまずは挙げたいです。

1つ目はもちろん、英語でのコミュニケーション能力ですね。

Reading・ListeningはTOEICでも鍛えられたのですが、やはりSpeakingという能力はどうしても経験が必要です。

こちらでの授業が始まったからこそ、歯がゆいシチュエーションも多くあります。

日々鍛錬と思って頑張っています。

2つ目は、スイスのヴァナキュラー建築についてです。

スイスの建物は美しい風景に溶け込む意匠性と同時に厳しい冬の気候に耐えなければならない機能性が求められます。

地理的文脈を生かした建築はどのように実現しているのか、大学の授業や実際に体験することで理解したいと思います。

最後の3つ目は、ヨーロッパのリノベーション建築についてです。

歴史を重んじるヨーロッパでは、リノベーションやコンバージョン建築が主流で、多数の名建築が生まれています。

国内外にアクセスの良いチューリッヒから電車で4時間程度で、ミラノ、パリ、フランクフルトまで行くことができます。この立地の良さを活かして、多くのリノベーション建物を訪問したいと思っています。

同じく小旅行の道中。あまりにも綺麗だったので皆で車から降りて写真撮影をしました。本当に本当に美しい景色でした。

まとめ

スイスに到着してから1ヶ月ほどが経ちました。

留学前に思い描いていた理想像とは異なる事実に戸惑うことも多々ありますが、それ以上に新しい知識、価値観を吸収する機会が多くあります。

これからの1年間、きっとあっという間でしょうが、私の人生に大きな影響を与えるだろうと確信しています。

次回は課題内容や製図室の様子など、建築学生としての生活をお伝えしたいと思います。

製図室の様子


ライター紹介:小林柚子
1995年生まれ。京都工芸繊維大学大学院 建築学専攻 米田研究室所属 博士前期課程1年生。2017年9月よりスイス・ルツェルン応用科学芸術大学に交換留学中。


今回のレポートまとめ

1. 交換留学を思い立ったらすぐに担当の先生にコンタクト!
2. 交換留学の交渉は最後まで諦めずに!
3. スイスらしいヴァナキュラーな建築を現地で学べる魅力!

留学の相談は、京都工芸繊維大学の国際課へご連絡下さい。


次回のレポート「これこれしかじかスイス建築留学物語語 vol.2」の公開は、12月下旬を予定しています。こうご期待!


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