京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab(D-lab)では、株式会社髙島屋、城東テクノ株式会社との共同研究として、回収されたスーツのうち生地への再資源化が難しい混紡繊維部分を活用した、新たな3Dプリント材料と造形手法の研究に取り組んできました。
そして2026年10月7日(水)より、本共同研究で開発・製作した3Dプリント什器が、髙島屋の期間限定ショップ「TRANSFORM YOUR SUITS」にて、順次展示・使用されます。

回収スーツ由来の繊維を活用した3Dプリント什器
回収スーツの「服にならない部分」を、新たな造形材料へ
髙島屋が進める「スーツ再生プロジェクト」では、店頭で回収したスーツの一部を用いて再び生地を作り、新たな衣服として循環させる取り組みが進められています。一方、スーツは表地だけでなく、芯地、裏地、肩パッドなど複数の素材から構成されており、部位によっては生地への再資源化が難しいという課題があります。 そこで2025年7月より、髙島屋、京都工芸繊維大学、城東テクノの3者による共同研究を開始しました。生地としての再利用が難しいスーツの部位に含まれる繊維を、新たな材料として活用する方法を検討しています。
D-labでの初期的なプロトタイプ検討を経たのち、城東テクノとの共同では、同社による3Dプリンタ向けポリプロピレン材料「JIZAI」の材料設計技術が応用され、回収スーツを解繊した混紡繊維を配合したPP材料が開発されました。繊維を配合することで、PPのしなやかさを維持しながら3Dプリント時の反りが抑制されることが確認されました。また、造形物の表面には繊維由来の起毛感をもつ独特の質感が現れました。
![]() ペレットに混合するために解繊した混紡繊維 |
![]() 回収スーツ由来の繊維を活用した3Dプリント什器 |
重力を利用した「ハンギングプリント」による軽量構造
D-labでは、この材料の特性を生かした大型3Dプリントによる造形方法と什器のデザインを検討しました。一般的な樹脂3Dプリントでは、材料を層状に積み重ねながら形状をつくるため、一定の強度を保ちながら大きな空隙をもつ軽量な立体構造を造形することは容易ではありません。
そこで本研究では、溶融した樹脂をノズルから押し出し、自重によって垂れ下がる挙動を造形プロセスの一部として利用する「ハンギングプリント」を採用しました。材料を支持面から支持面へと垂らしながら連続的に積層することで、繊維状の部材が編み合わされたような、空隙率の高い立体構造を形成します。
これにより、回収スーツ由来の繊維を含む材料の質感を表出させながら、使用材料を抑えた軽量な什器を製作しました。

研究成果を髙島屋の店舗で展示
今回製作した什器やグッズは、髙島屋の「スーツ再生プロジェクト」初の商品化に合わせて開催される期間限定ショップ「TRANSFORM YOUR SUITS」で実際に使用されます。
会場では、回収したスーツ由来の素材を用いた生地による衣服と、その過程で生地として再利用することが難しかった素材から生まれた3Dプリント什器が同じ空間に並びます。衣服から衣服への再生だけでなく、異なる材料・製造プロセスへと接続することで、回収された素材の活用可能性を広げる試みです。ぜひ会場で実物を御覧下さい。
日本橋髙島屋 S.C.
本館6階 特設会場(SPACE6-①)
2026年10月7日(水)〜10月13日(火)
新宿髙島屋
ファムメゾン4階 特設会場(中央エスカレーター前)
2026年10月21日(水)〜10月27日(火)
中原稜将[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士2回生(当時在学)]
林賢太朗[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
有田協人[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
乾結心[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
若林純也[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士1回生]
プロトタイプ制作:
中原稜将[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士2回生(当時在学)]
林賢太朗[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
有田協人[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
乾結心[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
若林純也[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士1回生]
青木志央理[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
制作サポート:
田京知佳[京都工芸繊維大学 工芸科学部デザイン・建築学課程 4回生]
大八木和輝[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科デザイン学専攻 修士1回生]
ペレット式3Dプリンタ環境整備:
松浦輝[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 機械設計学専攻 修士1回生]
研究統括・指導:
木内俊克[京都工芸繊維大学 未来デザイン・工学機構 特任准教授]
井上智博[京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab 技術専門職員]
研究統括:
株式会社髙島屋屋
混紡繊維配合PP材料によるペレット開発及び構造試験協力:
城東テクノ株式会社
回収スーツ手選別・仕分け:
東谷商店
混紡繊維解繊:
石川総研
ペレット式3Dプリンティング技術協力:
京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab
京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab(D-lab)では、株式会社髙島屋、城東テクノ株式会社との共同研究として、回収されたスーツのうち生地への再資源化が難しい混紡繊維部分を活用した、新たな3Dプリント材料と造形手法の研究に取り組んできました。
そして2026年10月7日(水)より、本共同研究で開発・製作した3Dプリント什器が、髙島屋の期間限定ショップ「TRANSFORM YOUR SUITS」にて、順次展示・使用されます。

回収スーツ由来の繊維を活用した3Dプリント什器
回収スーツの「服にならない部分」を、新たな造形材料へ
髙島屋が進める「スーツ再生プロジェクト」では、店頭で回収したスーツの一部を用いて再び生地を作り、新たな衣服として循環させる取り組みが進められています。一方、スーツは表地だけでなく、芯地、裏地、肩パッドなど複数の素材から構成されており、部位によっては生地への再資源化が難しいという課題があります。 そこで2025年7月より、髙島屋、京都工芸繊維大学、城東テクノの3者による共同研究を開始しました。生地としての再利用が難しいスーツの部位に含まれる繊維を、新たな材料として活用する方法を検討しています。
D-labでの初期的なプロトタイプ検討を経たのち、城東テクノとの共同では、同社による3Dプリンタ向けポリプロピレン材料「JIZAI」の材料設計技術が応用され、回収スーツを解繊した混紡繊維を配合したPP材料が開発されました。繊維を配合することで、PPのしなやかさを維持しながら3Dプリント時の反りが抑制されることが確認されました。また、造形物の表面には繊維由来の起毛感をもつ独特の質感が現れました。
![]() ペレットに混合するために解繊した混紡繊維 |
![]() 回収スーツ由来の繊維を活用した3Dプリント什器 |
重力を利用した「ハンギングプリント」による軽量構造
D-labでは、この材料の特性を生かした大型3Dプリントによる造形方法と什器のデザインを検討しました。一般的な樹脂3Dプリントでは、材料を層状に積み重ねながら形状をつくるため、一定の強度を保ちながら大きな空隙をもつ軽量な立体構造を造形することは容易ではありません。
そこで本研究では、溶融した樹脂をノズルから押し出し、自重によって垂れ下がる挙動を造形プロセスの一部として利用する「ハンギングプリント」を採用しました。材料を支持面から支持面へと垂らしながら連続的に積層することで、繊維状の部材が編み合わされたような、空隙率の高い立体構造を形成します。
これにより、回収スーツ由来の繊維を含む材料の質感を表出させながら、使用材料を抑えた軽量な什器を製作しました。

研究成果を髙島屋の店舗で展示
今回製作した什器やグッズは、髙島屋の「スーツ再生プロジェクト」初の商品化に合わせて開催される期間限定ショップ「TRANSFORM YOUR SUITS」で実際に使用されます。
会場では、回収したスーツ由来の素材を用いた生地による衣服と、その過程で生地として再利用することが難しかった素材から生まれた3Dプリント什器が同じ空間に並びます。衣服から衣服への再生だけでなく、異なる材料・製造プロセスへと接続することで、回収された素材の活用可能性を広げる試みです。ぜひ会場で実物を御覧下さい。
日本橋髙島屋 S.C.
本館6階 特設会場(SPACE6-①)
2026年10月7日(水)〜10月13日(火)
新宿髙島屋
ファムメゾン4階 特設会場(中央エスカレーター前)
2026年10月21日(水)〜10月27日(火)
中原稜将[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士2回生(当時在学)]
林賢太朗[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
有田協人[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
乾結心[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
若林純也[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士1回生]
プロトタイプ制作:
中原稜将[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士2回生(当時在学)]
林賢太朗[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
有田協人[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
乾結心[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
若林純也[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 建築学専攻 修士1回生]
青木志央理[京都工芸繊維大学 工芸科学部 デザイン・建築学課程 4回生]
制作サポート:
田京知佳[京都工芸繊維大学 工芸科学部デザイン・建築学課程 4回生]
大八木和輝[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科デザイン学専攻 修士1回生]
ペレット式3Dプリンタ環境整備:
松浦輝[京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 機械設計学専攻 修士1回生]
研究統括・指導:
木内俊克[京都工芸繊維大学 未来デザイン・工学機構 特任准教授]
井上智博[京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab 技術専門職員]
研究統括:
株式会社髙島屋屋
混紡繊維配合PP材料によるペレット開発及び構造試験協力:
城東テクノ株式会社
回収スーツ手選別・仕分け:
東谷商店
混紡繊維解繊:
石川総研
ペレット式3Dプリンティング技術協力:
京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab

