人新世における気候変動、人為的意図は風景の急激な変化をもたらすだろう

欧州は温暖化によりアルプス氷河が溶けることで水道水源と電力源枯渇問題を抱えている。19世紀、欧州はプラントハンターによりアジア諸国から植物を移入してきたが、温暖化により現代庭園の風景も変わりつつある。日本では山林の植林された桜や紅葉の景観は近代のものであり、新種を得て全国に普及した。近年は温暖化による季節、風致の変化が目立ち始めた。これら風景が人新世にどのようにあるかをスイスと日本から議論する。なお、招待講演者のETH名誉教授クリストフ・ジロ―は、3Dスキャンによって風景をクラウドドットデータに取り込で解析した、今日流通するデジタル技術の先駆者である。今回のアルプスの氷河が溶けていくことも3Dスキャンの観測により指摘されるに至った。
*日英 同時通訳あり

日時
2023年9月16日[土] 13:30-18:00

定員
100名(先着順)*日英 同時通訳あり

会場
〒606-8585 京都市左京区松ケ崎橋上町1
京都工芸繊維大学 松ヶ崎キャンパス 京都工芸繊維大学60周年記念館

登壇者
クリストフ・ジロー [スイス連邦工科大学チューリッヒ校 名誉教授]
小野芳朗 [京都工芸繊維大学 名誉教授]
中嶋節子 [京都大学 教授]
エルウィン・ビライ [京都工芸繊維大学 教授]
木下昌大 [京都工芸繊維大学 准教授]
木内俊克 [京都工芸繊維大学 特任准教授]

プログラム

13:30 – 15:00
溶けていく風景と変わっていく庭園
クリストフ・ジロー
温暖化によりアルプスの氷河が溶ることで景観の変化、水源の枯渇、水力発電元の消失が予測されている。この中で、欧州の現代の庭は、かつて氷河期に消えた植物をアジア、日本、中国からハンティングしていた欧州は温暖化により影響が出ている。植物の生態から整理への転換を語る。
 
15:00 – 16:00
風景の変容と風景への眼差しの近代
中嶋節子
京都盆地を取り囲む山々の風景は、人間の生活、文化、社会と山との関係を可視化したものとして了解される。風景をめぐる認識の画期とされる近代において、風景の発見、技術による編集、都市計画による制御、観光資源としての利用など、京都の山に向けられた眼差しを検討することで、風景の意味とその価値の前近代化からの変化について考えたい。

16:00 – 17:00
編集される風景と人新世の植生
小野芳朗
日本の春の風景であるサクラ、秋のモミジは温暖化によって時期が変わり季節感が失われること、さらには絶滅もしくは開花、紅葉化しないことが予想される。気候のみならず人間の行為・思惑によって植生は変化する人新世の風景を語る。

17:00 – 18:00
ディスカッション
コメンテーター:エルウィン・ビライ、木内俊克

司会 木下昌大

The landscape is changing rapidly as a result of climate change in the Anthropocene and human intentions.

The invited speaker, Professor Emeritus Christophe Girot of ETH, is a pioneer of the digital technology that is in circulation today, who has analyzed landscapes by capturing them in cloud dot data through 3D scanning. The melting of glaciers in the Alps was also pointed out by 3D scanning.



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