KYOTO Design Labは、国際的に知られる著名な大学や研究機関などとの合同プロジェクトやワークショップを実施する中で、いくつもの交換留学の提携を結んできました。
昨年から始まった留学レポートシリーズでは、D-labのプロジェクトを通じて新たに提携を結んだ「イギリス・キングストン大学」と「スイス・ルツェルン応用科学芸術大学」と「イタリア・トリノ工科大学」に交換留学中の近藤弘規さんと小林柚子さんと荒木菜見子さんに加え、「アメリカ・スタンフォード大学」で滞在研究を行う篠原由美子さんに寄稿してもっています。
近藤くんによる第2号「キングストンものづくり レポート」では、プロジェクトベースのデザイン課題、スタジオやワークショップの設備、ロンドンでの日常生活について触れられています。
留学を検討中のみなさんはぜひご参考にしてください。
第1回のレポート記事はこちらから≫
[留学レポート]キングストンものづくり レポート vol.1 – 近藤弘規
課題について
キングストン大学のMAは1年間ということもあり、密なスケジュールでプロジェクト主体の課題をこなしていかなければなりません。
毎週のように、先生たちの前でプレゼンテーションやチュートリアルがあります。
学生たちもコンセプトよりも作品制作の過程にこだわり、制作を重要視しています。
所属するプロダクト・アンド・ファニチャー・コースでは、美しく機能的なものをデザインすることが求められます。
第1セメスターは、3つの課題がありました。
1つ目は骨董品を探してきてその中の「質」を見つけ出して他のものに落とし込むというもの、2つ目はパッケージに注目して新たな素材や構造の研究に繋げるというもの、3つ目はMADE.COMというブランドコンセプトを踏まえた上で時計をデザインするというものです。
第2セメスターはプロジェクトにいくつかの選択肢があって、自分のしたいプロジェクトを将来の自分のしたい仕事スタイル合わせて選ぶことができました。
僕はブラウンプライズというコンペティション・プロジェクトと、家電メーカーとの共同プロジェクトでポットをデザインするというものに参加しました。
その他の課題やオススメの本などがアップロードされているコースのインスタグラムがあるので、留学を希望している人はぜひチェックしてみてください。(@ma_product_furniture_kingston)
施設・クラスメイトについて
スタジオ留学
普段、私は自分のスタジオ(製図室)にいます。
学年ごとに部屋が分けられており、京都工芸繊維大学の製図室やゼミ室にとても近い印象です。
スタジオでプレゼンテーションやチュートリアル(先生との個別相談)もしますが、時々、友だちとテレビゲームもすることもあります。
来たばかりの頃は友達をつくるために、なるべくスタジオにいるようにしていました。
ワークショップ(工房)
前回のレポートでも少し触れましたが、キングストン大学にはとても大きなワークショップがあります。
木工・陶芸・金属・石膏(成形)・プリント・ファブラボがありますが、「手でつくること」にこだわっているので、特に木工・金属・成形の施設が充実しています。
ワークショップで、さまざまな機械をつかったものづくり方法を学ぶことができます。
不慣れな機材でも、テクニシャンの人たちがものづくりのサポートをしてくれます。(D-lab ファクトリースタッフの井上さんと山下さんがさらに5人ずついると考えてください)
バー
日本では考えられないことですが、学校の中にバーがあり、授業終わりやワークショップが閉まってからはみんなでワイワイしています。
金曜日にはイベントがあり、ダンスをしたり友だちと話したりする場になっています。
生活をしていて感じること
お金について
私は交換留学するにあたり、日本学生支援機構から8万円の奨学金をもらっています。
よくイギリスは物価が高いと言われます。
1ポンドが約150円なので、円に換算すると家賃や生活費はとても高く感じますが、イギリスの人にとっては1ポンドが100円くらいの感覚だそうです。
学生ビザでは、上限で週20時間までアルバイトすることができます。
留学開始から2、3ヶ月経った頃、ようやく課題と自分の生活のペースがつくれてきたので、日本食料店でアルバイトを始めました。
寿司をつくるバイト(イギリスで寿司のつくり方を覚えました) は、時給が7.5ポンド。
月に600ポンド(日本円で約9万円弱)程度もらえます。
ロンドンでの生活
ロンドンのミュージアムやギャラリーは、基本的に寄付金制度でなりたっているため、特別展以外でチケット代を請求されることはありません。
そのため、休日になるとミュージアムにいったり、公園を散歩したりしています。
たくさんの人と出会い、意見を共有し、関係を築いていく過程はとても楽しく刺激的です。
自分の知らない街で環境をつくって生活していくのがやはり留学の醍醐味ではないでしょうか。
今回は3ヶ月半ほどイギリスで生活して感じたことをレポートにしてみました。
次回はイギリスと日本の文化や考え方、デザインの違いについてに考察してみたいと思っています。
ライター紹介: 近藤弘規
1993年生まれ。兵庫県西宮市出身。趣味は中学から始めた弓道とペンの収集。2012年に京都工芸繊維大学造形工学課程に入学し、現在京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻櫛研究室所属。国際的な産学連携プロジェクトのME310/SUGER 2015-2016にも参加した。2017年9月からイギリス・キングストン大学に交換留学を行なっている。
今回のレポートまとめ
1. 手を動かしながらかんがえるPBL!
2. スタジオの雰囲気は日本と一緒!?
3. 物価は高いけれど、文化施設は見放題!
留学の相談は、京都工芸繊維大学の国際課へご連絡下さい。
次回のレポート「キングストンものづくり物語 vol.3」の公開は、7月上旬を予定しています。こうご期待!
KYOTO Design Labは、国際的に知られる著名な大学や研究機関などとの合同プロジェクトやワークショップを実施する中で、いくつもの交換留学の提携を結んできました。
昨年から始まった留学レポートシリーズでは、D-labのプロジェクトを通じて新たに提携を結んだ「イギリス・キングストン大学」と「スイス・ルツェルン応用科学芸術大学」と「イタリア・トリノ工科大学」に交換留学中の近藤弘規さんと小林柚子さんと荒木菜見子さんに加え、「アメリカ・スタンフォード大学」で滞在研究を行う篠原由美子さんに寄稿してもっています。
近藤くんによる第2号「キングストンものづくり レポート」では、プロジェクトベースのデザイン課題、スタジオやワークショップの設備、ロンドンでの日常生活について触れられています。
留学を検討中のみなさんはぜひご参考にしてください。
第1回のレポート記事はこちらから≫
[留学レポート]キングストンものづくり レポート vol.1 – 近藤弘規
課題について
キングストン大学のMAは1年間ということもあり、密なスケジュールでプロジェクト主体の課題をこなしていかなければなりません。
毎週のように、先生たちの前でプレゼンテーションやチュートリアルがあります。
学生たちもコンセプトよりも作品制作の過程にこだわり、制作を重要視しています。
所属するプロダクト・アンド・ファニチャー・コースでは、美しく機能的なものをデザインすることが求められます。
第1セメスターは、3つの課題がありました。
1つ目は骨董品を探してきてその中の「質」を見つけ出して他のものに落とし込むというもの、2つ目はパッケージに注目して新たな素材や構造の研究に繋げるというもの、3つ目はMADE.COMというブランドコンセプトを踏まえた上で時計をデザインするというものです。
第2セメスターはプロジェクトにいくつかの選択肢があって、自分のしたいプロジェクトを将来の自分のしたい仕事スタイル合わせて選ぶことができました。
僕はブラウンプライズというコンペティション・プロジェクトと、家電メーカーとの共同プロジェクトでポットをデザインするというものに参加しました。
その他の課題やオススメの本などがアップロードされているコースのインスタグラムがあるので、留学を希望している人はぜひチェックしてみてください。(@ma_product_furniture_kingston)
施設・クラスメイトについて
スタジオ留学
普段、私は自分のスタジオ(製図室)にいます。
学年ごとに部屋が分けられており、京都工芸繊維大学の製図室やゼミ室にとても近い印象です。
スタジオでプレゼンテーションやチュートリアル(先生との個別相談)もしますが、時々、友だちとテレビゲームもすることもあります。
来たばかりの頃は友達をつくるために、なるべくスタジオにいるようにしていました。
ワークショップ(工房)
前回のレポートでも少し触れましたが、キングストン大学にはとても大きなワークショップがあります。
木工・陶芸・金属・石膏(成形)・プリント・ファブラボがありますが、「手でつくること」にこだわっているので、特に木工・金属・成形の施設が充実しています。
ワークショップで、さまざまな機械をつかったものづくり方法を学ぶことができます。
不慣れな機材でも、テクニシャンの人たちがものづくりのサポートをしてくれます。(D-lab ファクトリースタッフの井上さんと山下さんがさらに5人ずついると考えてください)
バー
日本では考えられないことですが、学校の中にバーがあり、授業終わりやワークショップが閉まってからはみんなでワイワイしています。
金曜日にはイベントがあり、ダンスをしたり友だちと話したりする場になっています。
生活をしていて感じること
お金について
私は交換留学するにあたり、日本学生支援機構から8万円の奨学金をもらっています。
よくイギリスは物価が高いと言われます。
1ポンドが約150円なので、円に換算すると家賃や生活費はとても高く感じますが、イギリスの人にとっては1ポンドが100円くらいの感覚だそうです。
学生ビザでは、上限で週20時間までアルバイトすることができます。
留学開始から2、3ヶ月経った頃、ようやく課題と自分の生活のペースがつくれてきたので、日本食料店でアルバイトを始めました。
寿司をつくるバイト(イギリスで寿司のつくり方を覚えました) は、時給が7.5ポンド。
月に600ポンド(日本円で約9万円弱)程度もらえます。
ロンドンでの生活
ロンドンのミュージアムやギャラリーは、基本的に寄付金制度でなりたっているため、特別展以外でチケット代を請求されることはありません。
そのため、休日になるとミュージアムにいったり、公園を散歩したりしています。
たくさんの人と出会い、意見を共有し、関係を築いていく過程はとても楽しく刺激的です。
自分の知らない街で環境をつくって生活していくのがやはり留学の醍醐味ではないでしょうか。
今回は3ヶ月半ほどイギリスで生活して感じたことをレポートにしてみました。
次回はイギリスと日本の文化や考え方、デザインの違いについてに考察してみたいと思っています。
ライター紹介: 近藤弘規
1993年生まれ。兵庫県西宮市出身。趣味は中学から始めた弓道とペンの収集。2012年に京都工芸繊維大学造形工学課程に入学し、現在京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻櫛研究室所属。国際的な産学連携プロジェクトのME310/SUGER 2015-2016にも参加した。2017年9月からイギリス・キングストン大学に交換留学を行なっている。
今回のレポートまとめ
1. 手を動かしながらかんがえるPBL!
2. スタジオの雰囲気は日本と一緒!?
3. 物価は高いけれど、文化施設は見放題!
留学の相談は、京都工芸繊維大学の国際課へご連絡下さい。
次回のレポート「キングストンものづくり物語 vol.3」の公開は、7月上旬を予定しています。こうご期待!