KYOTO Design Lab Library 4『キュラトリアル・ターン──アーティストの変貌、創ることの変容』が、株式会社昭和堂より発刊されました。

KYOTO Design Lab Libraryは、D-labの活動をベースに、領域を越えたさまざまな試みを発信し、あたらしいデザインの手がかりを提供するための出版プロジェクトです。

第4巻となる『キュラトリアル・ターン』は、2017年7月15日にD-lab主催で実施した国際ラウンド・テーブル「批判力のあるキュレーション──アーティストによるその実践」当日レポート)、および同日の映像インスタレーション+トーク・セッション「解釈行為としての創造──アーティストによるその実践」でのトーク内容がテクスト化され編まれました。

著者(トーク登壇者含む)は、椿昇、藤浩志、日比野克彦、川俣正、小林康夫、三木学、ペーター・ヴァイベル、ニカ・ラディッチ、高野友実、市川靖史(京都工芸繊維大学 助教)、池側隆之(京都工芸繊維大学 教授)、三木順子(京都工芸繊維大学 准教授)です。

以下、監修・編を務めた三木順子准教授による紹介コメントです。

いま、アートにおける「創造」のあり方が大きく変化しています。創造の行為がキュレーション的な性格を強め、アートとは何かをめぐる問いがキュレーションとは何かをめぐる問いへと収斂していく、「キュレーション的転回(=キュラトリアル・ターン)」の時代が到来しているといってもよいでしょう。創ることはキュラトリアルな実践へと変容し、アーティストは、キュレーションされる客体ではもはやなくなり、みずからキュレーションする主体へと変貌しつつあります。

キュレーション的な実践に自覚的に携わるアーティストを、仮に、「キュラトリアル・アーティスト」と呼ぶこととしましょう。本書は、転回の時代を航るキュラトリアル・アーティストらとの対話を重ね、彼らの言葉と振る舞いを吟味し、彼らの実践のなかに潜勢している可能性を明るみにだしながら、キュレーションという営みの新しいヴィジョンを示唆しようと試みる、実験的な一篇です。

この一篇が、狭い意味でのアートやそのキュレーションに関心を寄せる読者だけでなく、より広く複雑な意味で「創る」ことに携わるさらに多くの読者の手に届き、なんらかの企ての一助となれば嬉しいです。(三木順子 准教授)



KYOTO Design Lab Library 4
キュラトリアル・ターン──アーティストの変貌、創ることの変容

第1部
批判力のあるキュレーション──アーティストによるその実践
Chapter 1
アーティストにとってキュレーションとはなにか
椿昇・藤浩志・日比野克彦・川俣正・小林康夫・三木順子
Chapter 2
ポスト・ミュージアム時代の美術館
日比野克彦・藤浩志・三木順子
Chapter 3
グローバル時代における地域
川俣正・小林康夫・椿昇
Chapter 4
「いま」を創りながら「いま」を生きる
川俣正・小林康夫・椿昇・日比野克彦・藤浩志・三木順子
第2部
キュラトリアル・ターンの時代のアートのゆくえ
Chapter 5
生きるための技術(アート)
藤浩志・椿昇・三木順子
Chapter 6
日本におけるアートの「居場所」のキュレーション
三木学
Chapter 7
グローバリゼーションとコンテンポラリー・アート
ペーター・ヴァイベル/三木順子 訳
Chapter 8
〈ドリーム・キュレーション〉をめぐる対話―〈Nature After Nature〉の方へ?
小林康夫
第3部
解釈の創造性──アーティストによるその実践
Chapter 9
再演される建築、通過者たちのまなざし──ニカ・ラディッチによる映像インスタレーション
市川靖史・高野友実
Chapter 10
よそ者(アウトサイダー)のまなざし──解釈が表現になるとき
ニカ・ラディッチ/三木順子 訳
Chapter 11
「映像×建築」再考──イメージはどこから来て、どこへ行くのか
池側隆之×三木順子
監修・編 三木順子
共編 三木学
編集著作 京都工芸繊維大学
出版社 株式会社昭和堂
出版日 2020年3月31日
ISBN 9784812219256
判型 A5
頁数 308頁
定価 本体3,500円+税



  • 編集の創造性を探るワークショップ「編集という方法/書籍というメディア」
  • ※本書の編集作業の一部は、編集者の三木学氏をリーダーに迎えてD-labが主催したワークショップ「編集という方法/書籍というメディア──新しいコミュニケーションの創生に向けて」をとおして、参加学生とともに実施されました。

  • D-lab東京ギャラリー「para・textile 本を編む──繁茂する外延」
  • ※本書の編集をテーマにした展示が、ゲストキュレーターにアーティストの中野裕介氏(パラモデル)を迎えてD-lab 東京ギャラリーで開催されます。(2020年5月現在、開催延期・時期調整中)

    KYOTO Design Lab Library 4 “Reimaging Curation” was published.

    KYOTO Design Lab Library is the publishing projects that disseminate the attempts of various disciplines based on the activities of D-lab and aim to provide clues for a new design.

    This book is presented as a report on these two events, International Roundtable: The Artist as Critical Curator and Night Session: Image×Architecture: The Artist as Creative Interpreter, and it includes three elements, the rewritings of discussions in the events, photographic documentation of the production process of the events, and some newly written texts after the events. The aim of this book is to reimage curation in its contemporary and expanded form, based on the real words and actions of the curatorial artists.


    KYOTO Design Lab Library 4
    Reimaging Curation

    Part 1
    Artist as Critical Curator
    Chapter 1
    Why does Curation Matter for Artist?
    Noboru Tsubaki, Hiroshi Fuji, Katsuhiko Hibino, Tadashi Kawamata, Junko Miki
    Chapter 2
    Museum in the Age of Post-museum
    Katsuhiko Hibino, Hiroshi Fuji, Junko Miki
    Chapter 3
    Community-based Art in the Global Age
    Tadashi Kawamta, Yasuo Kobayashi, Noboru Tsubaki
    Chapter 4
    Curating the Contemporary
    Tadashi Kawamata, Yasuo Kobayashi, Noboru Tsubaki, Katsuhiko Hibino, Hiroshi Fuji, Junko Miki
    Part 2
    Whither the Art in the Age of “Curatorial Turn”?
    Chapter 5
    The Art of Living
    Hiroshi Fuji, Noboru Tsubaki, Junko Miki
    Chapter 6
    To Curate the “Dwelling” of Art in Contemporary Japan
    Manabu Miki
    Chapter 7
    Globalization and Contemporary Art
    Peter Weibel
    Chapter 8
    Dialogue on the “Dream Curation”
    Yasuo Kobayashi
    Part 3
    Artist as a Creative Interpreter
    Chapter 9
    The Reenacted Architecture and the Glance of Passersby
    Yasushi Ichikawa, Tomomi Takano
    Chapter 10
    Observations from an Outsider
    Nika Radić
    Chapter 11
    Where does Image Come from? Where is Imagen Going?
    Takayuki Ikegawa, Junko Miki
    Editorial supervision Junko Miki
    Edit Manabu Miki
    Edit copyright Kyoto Institute of Technology
    Publisher Showado
    Publish date 31 May, 2020
    ISBN 9784812219256
    Dimentions A5
    Pages 308
    List price JPY3,500- without tax