夷川 設計班のプレゼンの様子

[レポート]Water Shaping the City 京都バスツアーReport: Water Shaping the City-Kyoto Bus Tour

2017年5月22日〜26日の5日間、スイス・バーゼルに拠点を置くふたりの建築家、マニュエル・ヘルツ教授(バーゼル大学)、シャディ・ラーバラン(ラーバラン・ハーゼラ・アーキテクトン)を招聘し、京都の「水」に着目したワークショップ「Water Shaping the City—京都の水とアーバニズム」を開催しました。

ワークショップを通して、参加学生たちは、両氏の指導のもと、京都における「水」の都市構造を解明し、これからの京都にふさわしいsocial + ecological + entertainmentを実現する空間をデザインしました。

ワークショップ初日、参加学生と両氏で、京都における「水」の地理的・歴史的・文化的な側面を調査するため、いくつかの京都の「水」を象徴する場所をめぐるバスツアーをおこないました。

以下、参加学生によるバスツアーのレポートを掲載します。

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マニュエル・ヘルツ教授、シャディ・ラーバラン氏と学生とで、敷地見学バスツアーを行いました。旧九条山ポンプ場、夷川船溜、鴨川納涼床、伏見港をまわり、各場所で事前調査していた歴史班と設計班が、歴史と現状の空間、そして提案のコンセプトを、ふたりにプレゼンテーションしました。
今回のワークショップは「京都を形成する水」がテーマということで、水とともに発展してきた都市・京都ならではの水辺空間を、3つの視点「Social」「Ecological」「Entertainment」 から提案することを目的としています。

夷川船溜


夷川 設計班のプレゼンの様子

両氏は、夷川がかつて市民プール場として使われていたこと、そして周辺には水を使った精米や金属加工業などの産業が発達していたことに興味を持ち、「循環系としての水の役割」をひとつのキーワードとしてあげていました。その言葉が示すように、船溜だけでなく、そこへ繋がる水路も見て回り、敷地周辺も入念にリサーチしました。

鴨川納涼床


鴨川納涼床 設計班のプレゼンの様子

五条・鴨川沿いの納涼床の下に降りて、歴史班と設計班がプレゼン。設計班は提案のプレゼンシートをポートフォリオ形式に分かりやすくまとめてプレゼンし、両氏と実際の敷地を眺めながら議論を交わしました。
納涼床が仮設であり、時期になると川に迫り出し、オフの時期には解体され保管されることに、両氏は驚いていました。学生たちも納涼床の下を注目したことがなく、どのように接合されているのか注意深く観察しました。

伏見港


伏見港 歴史班と設計班のプレゼンの様子

学生のプレゼンの後、両氏が問題点として「かつては港として、地域そして大阪—京都の結節点であったにもかかわらず、いまは境界としてまちとまちを隔てている」ことをあげました。
設計班のプレゼンでは事前に草案をまとめていたので、このバスツアーは敷地調査でもあり、敷地を目の前にしたエスキスの場でもありました。

バスツアーのあと、学生は1週間のWS期間中毎日、両氏からのエスキスを受けた。

普段建築設計を学ぶ学生は、設計という立場で敷地を調査し、そして机上で教員に指導を受けます。
しかし、今回のワークショップでは歴史研の学生と協力して敷地を読み解き、そして最初のエスキスを、敷地を見ながら教員に指導(しかも英語で)を受けるという、とてもインタラクティブな機会でした。

残りの4日間では、両氏から毎日草案指導を受け、提案をブラッシュアップしていくという濃密な日々を過ごすことになりましたが、グループワークなので、チームマネジメントの能力も求められます。
本ワークショップを通じて、建築設計というひとつの分野に留まることなく、歴史、言語、マネジメントなど多岐にわたる分野を学ぶことで、視野が広がることが期待されます。

今回のバスツアーでは、実際に敷地を見て両氏にプレゼンすることで、お互い意思疎通しやすい(言語という壁を考えても)ですし、机を挟んで議論・草案指導を受ける前段階として、アイスブレイクのような役割を果たしてくれたと思います。


ライター紹介: 竹森健人
大学院工芸科学研究科 造形科学域 建築学専攻 木下昌大研究室 M2


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